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「福岡市文化芸術振興ビジョン(案)」への意見 福岡市文化振興課が実施していた、上記パブリックコメントの募集に対し、下記のようなコメントを送りました。 作成者:徳永昭夫 作成日:2008(平成20)年8月22日 1、スパイラル型の発展イメージ 美術、舞台芸術、文芸、音楽などジャンルは問わず、制作→発表→論評→その論評が制作に反映される→発表→論評→制作に反映……のらせん型、循環型、スパイラル型の発展イメージを持ちたいです。制作、発表、論評のいずれのフェーズ(phase=段階、局面)だけに力を入れても継続的な発展は望めないからです。そしてどのフェーズにおいても、人材育成ならびに産業や教育との連携を常に意識することが必要です。 2、戦略は常に世界戦略 文化芸術振興の姿勢としては、常に世界に開かれ、そして世界に向いているべきです。 アジアとの交流を促進することに異論はありませんが、それは経済戦略であって、文化芸術振興の戦略ではありません。表現は個と他者との関係から出発し、表現者にとって他者とはアジアではなく、世界全てだからです。 「世界都市福岡」を目標とした文化芸術振興に取り組めば、その効果またはその結果としてアジアとの経済交流、観光交流もより魅力的になるのではないでしょうか。 3、教育(または学習)の補佐役 文化芸術は万能ではありません。しかしあらゆる人々に生きる喜びを与えることは「事実」だと断言してはばからずにいられるだけの事例は多数あるでしょう。 しかしながら、最近の若年の(人間としての)倫理観の著しい減退を思うと、教育の現場では文化芸術の振興を声高に訴えることは、まだ不自然な環境にある(または飛躍しすぎている)と感じます。まず先に教育の現場のあり方の見直しがあり、そこに文化芸術がどう寄り添っていくか、の議論が必要だと感じています。 また、教育は子供だけを対象とするものではなく、学ぶ意志のある全ての年代の人たちを対象とするべきです。文化芸術が社会に対して発揮する効果は子供だけに有効というものでもありません。そして子供は大人を見て成長するわけですから、大人も常に多様な社会に対応していけるよう、芸術文化に触れて常にいろんな世界観を体験するべきです。 4、評価基準の徹底的議論 入場者数や、売上げの高さといったごく一部の局面的な数値を持って評価を与えるということに、慣れ過ぎているのなら、それを一から見直す議論を持つべきです。そしてその議論は広く公開されるべきです。「全ての人にとって」とは言い換えればマイノリティ(の側の人々)もマジョリティ(の側)と対等にあることを意味するでしょう。そしてそれはすなわち「多数であることが正しい」わけではないのです。「マジョリティもマイノリティも等しく存在している」ということです。 すると、何をもって文化芸術の、そしてその振興の評価とするのか、世界戦略としての「福岡らしさ」を意識しながら、福岡で評価されるべき文化芸術とは何なのか、いろんな議論が起こるといいですね。ただしそれは「文化芸術」そのものの評価基準とは違う可能性も十分あることに自覚すべきでしょう。 5、提案 上記のような考え方をふまえて、多ジャンルに渡る表現の発表の場を、教育や産業界と連携し、評論の場ももうけ、そして例えば国とも連携しながら(=国の助成金〈国土交通省、ニューツーリズム実証事業〉なども活用しながら)ある地域やその歴史、特定の芸術家や運動をテーマにしてフェスティバルを、たとえば福岡アジア美術館のトリエンナーレと同じ時期に開催し、文化芸術面の集客のみならず、産業界、教育界にも話題を提供し、ないしは影響を与えるようなイベントを、長期的な目標に基づいて実施していく、というものを夢見ております。その例は、会ってお話しましょう。 以上、徳永昭夫
by akio_tokunaga
| 2008-08-22 09:23
| diary
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